サントリー美術館『水と生きる』

parasol2007-08-03

東京ミッドタウン内のサントリー美術館に行ってきました。
今年の3月に開館し開館を記念する展覧会のⅡとして『水と生きる』展が開催されています。日本人の暮らしと、水との係りという視点から、日本の文化を見つめなおします。美術だけではなく、水の音や水の感触を楽しむという、暮らしを潤す水の文化も育みました。しかし水は時として残酷で恵みの雨が一転、災いももたらします。
歌川広重の浮世絵には、当時の人が船旅や水遊びを楽しむ様子。川を中心として町が賑わいを見せている様子など、人々のの表情を通じて生き生きと描いてるいます。浮世絵の「青」は空の「青」、水の「青」、富士山の「青」を巧みに色を使い分けています。
薩摩切子は日本の伝統色「藍色」を基調として製作し、深みのある「青」を演出しています。「藍」1色をカットの角度によって見るものの目を楽しませます。この「藍色」は最近、「Japan Blue」と外国で表現されるそうです。
青がこれほど何種類にも使い分けられるのはすぐそこに水があるからです。海、川、湖、滝、水田など同じ水ですが、色が全部異なります。
考えてみれば、水は色も形もないものです。その水を日本人はどの様にイメージし、どう表現してきたか、大変興味深く拝見しました。それにこの季節、見ているだけで涼やかな、暑い夏を感じせない展覧会でした。