日本語の乱れ??

 平成15年度の国語に関する世論調査の結果が、文化庁webページに掲載されている。報告書本体は、国立印刷局から買わないと手に入らないのがケチくさい。
 このリリースのテーマに慣用句の意味の誤解、がある。
 「意味が違う」というのであればこれは、コミュニケーション上の障害の原因となり、社会的損失が発生する。由々しき問題だ。これに比べれば、コミュニケーション上の損失のない敬語の誤用(二重敬語など)や発音の違い(「ちょうふく」と「じゅうふく」)は些細な問題であろう。
 国立国語研究所では、一般への定着が不十分で分かりにくいものがある、という理屈で「外来語言い換え提案」というのをしているので、同じように「慣用句言い換え提案」というものをして欲しい。
 あるいは、「常用漢字」と同じように「常用慣用句」を決めてもらって、それ以外は、説明をつけるというような工夫が必要かも知れない。
 また、慣用句の誤用は、多分、マスメディアが誤用しているため、それが一般に広がっているように思うので、マスメディアの方々に気をつけて欲しい。

 あと気になったのは、「情報機器の普及による言葉遣いへの影響」の項目で「どのような形で影響があるか?」という設問に「漢字が書けなくなる」という選択肢があったららしい。「漢字が書けなくなる」のは「言葉遣いへの影響」なのか??? 単なる人間のスキルなのではないかと感じた。
 そもそも「情報機器の普及による言葉遣いへの影響」が問題であれば、世論調査ではなく、実証分析をすべきだと思う。