唐招提寺展

上野の国立博物館で開催されていた、唐招提寺展に行ってきました。
今回のポイントは、今まで一度も外に出たことのない金堂の仏像が初めてやってくることに加え、通常よりも間近で見れる、という点でした。
これは唐招提寺の金堂が、阪神淡路大震災の影響もあり、構造がゆがんでいるため、一度解体して組み立て直す、という工事を行うことで、今回実現したそうです。

盧舎那仏は重厚な感じが、時代の重みを感じさせてくれてましたが、台座や光背までは持ってこれなかったようで、その点は少し残念でした。

仏像以外では、東山魁夷が書いた障壁画が、すべて出展されていたのが目を引いたのですが、順路どおりに行くと、最初に、メインの展示が来てしまうので、盛り上がりに欠けたかも知れません。

出口では、唐招提寺の住職の方と思われる方が、募金のお願いをしていました。私は今まで、日本の寺院の展示会にそれほど多く行っていたわけではないのですが、展示会の出口でお寺の改修工事の募金をしているのは初めて見ました。
独立行政法人化の影響なのでしょうか。
ちなみに、工事の資金は35億円で、そのうち、25億が国からの補助金。その他、奈良県などの地方自治体からの補助もあり、お寺の負担は、7億円強だそうです。
この額をどう見るかは、よく分かりませんです。

ホームページを見ても分かるとおり、TBSが主催者に名を連ねており、音声ガイドのナレーションが寺尾聰だったり、バーチャルリアリティのフィルムを作成していたりします。
CGで見る仏像や寺院は、まぁ、CGなりなのですが、建物の構造とか、たとえば、展示されている瓦などの部品が、どのように利用されていたかを説明するなど、こういう表現手法がふさわしい場面も数多くあると感じました。