住所を晒すこと

 
はてなが、ユーザーに住所と本名を晒せ、と言い出して、騒ぎになっているようだ。

はてなへの住所登録の義務化撤回について

別にユーザーにはサービスを選択する自由があるので気に入らなければ利用しなければよいとは思うのだが、そもそも「匿名で情報を発信することが許されるのかどうか」というテーマは重大だ。仮に、はてなが主張するように「サイトを安定的に運用するためには、利用ユーザーの特定が必要」となれば、世に存在するほぼすべての匿名掲示板はこのポリシーに反しているのだから。
本当に、はてなの人たちがそう思っているとすれば、驚きである。

自分は、Amazonにもヨドバシにも、オンラインバンクにも、本名や住所はもちろん、クレジットカード番号まで晒している。だから、ここで新しく「はてな」に本名と住所を晒したとしても大差はないだろう。Amazonには自分の買った本の履歴まで残っているので、仮にその情報が漏洩したら大変だ。500円どころの騒ぎではない。
にも関わらず、自分が個人情報を晒すのは、そのメリットがある(と思っている)からである。
法律論などはよく分からないのだが、今回騒ぎになるのは、はてなを利用する上で個人情報を提供するメリットがない、と感じている人が多いのだろう。
よく考えると、オンラインショッピングでも、代引きの郵便局留め(配送所留め)にすれば、住所もクレジットカード番号も晒す必要がない。にも関わらず、はてな程度のサービス(失礼だが)で本名と住所を晒せというのは、勘違いしているとしか思えない。
逆に個人の特定に、免許証のコピーを送れ、とまで言ってくるのであれば、逆に安心して利用できるコミュニティーになるかも知れないが、自己申告の住所で「安心なサイトです」というのは無茶だ。
いずれにせよ、今後の展開が楽しみである。